実践報告II 第2室(13:30〜14:00)
聴解力の向上をめざした映像メディアの利用
福岡市立和白中学校 冨 永 美 喜
英語学習者にとって、外国語である「英語を聞く力」は、言語を習得する上で欠くことのできない「力」である。人々は、実生活のコミュニケーションの40〜50%を「聞くこと」に使っている。(Rivers:1984)。このことは、「聞くこと」がコミュニケーションの場で大きな位置を占めていることを示す。最近はwrittenlanguage(書き言葉)とspokenlanguage(話し言葉)の違いや、context(文脈)に注目したlisteningcomprehension(聴解力)の研究が高まってきている。(Richards:1983,Brown&Yule:1983,Mendelsohn:1995他)。Spokenlanguage,contextに重点をおいた「聞くこと」の指導は、外国語教育、とくに英語教育では、言語を習得し、実践的なコミュニケーション能力の向上を図るために、大きな意味を持つ。
本研究は、日本の中学校や高等学校での英語教育において「聞く力」(聴解力)の向上、さらには実践的コミュニケーション能力の向上を目指した指導のあり方を求めて、visualmediaを積極的に利用することに注目した。
本研究はまず、文部科学省が生徒と指導者を対象に実施した調査の結果を分析し、「聞くこと」の指導の現状と問題点を探る。
次にvisualmediaの利点を明らかにする。4点あげることができる。第一に、visualmediaは、映像と音声の情報を同時に学習者に与えることができる。第二に、学習者は、話し手と聞き手の間のコミュニケーションがどのような場面設定で行われているかを目の当たりに理解することができる。
教室では不自然になりがちな場面も、visualmediaは自然な形で学習者に提供することが可能である。
次に、学習者はcontextの中での適切な言語使用を学ぶことができる。さらに、学習者は、visualmediaを通じてspokenlanguageに接することが可能である。
さらに、現在、教室で利用しているvisualmediaと学習者の様子を示しながら、visualmediaの選択基準を提示する。
-12-
投票数:111
平均点:6.67
・研究発表I(2006)
|
2006
|
・企業ワークショップ(2006)
|